2012年5月30日水曜日

被災3県の雇用状況(厚労省)


岩手県、宮城県、福島県の1年間(平成23年5月から平成24年4月)の雇用状況が公開されました。



【管理人コメント】
上記資料は、単に月別の求人・求職者数、前月比(就職件数、受給資格決定数、受給者数は「前年比」)を触れているだけですので、気づいた点をいくつか書き出してみます。

有効求人数
推移をみると、前月比プラスとなる月が続いています(マイナスは1箇月もなし)。
→このことから企業は少しずつ体制を立て直し、採用を始めている様子が伺えます。

有効求職者数
求人のように右肩上がりではなく、月に応じて変動があり。
特徴的なのは、求職者数の増減が各月とも不規則ではなく、以下のような波になっている点。気候、電力など何か要因があるのでしょうかね?
・5、6月と前月比でアップ
 ↓
・7月〜10月は連続してダウン
 ↓
・その後11月、12月とアップ
 ↓
・1月〜4月はダウン

就職件数
こちらは前年比の統計が掲載されています。いずれの月も前年比増でした。
特に平成24年3月は前年比103.7%となっていました。
→これは「今年(平成24年3月)が増加した」というよりは、「去年(平成24年3月)は震災の影響で就職件数が少なかった」ことが要因ではないかとみています。

雇用保険受給資格決定数
前年比の数値が掲載されています。
・平成23年9月以降の受給資格決定数が、前年比でマイナスとなる月が続いています。
 →平成23年3月または4月に大量に職を失い、その時期に受給資格決定を受けた(失業時の給付を受けられるようになった)離職者が多かったことから、その後は受給資格決定者数が少なかったことが考えられます。

特に平成24年4月の受給資格者決定数は、前年比▲75.2%の受給資格決定数となっていたことから、いかに平成23年4月の受給資格決定数が多かったかが伺えます。


【参考資料】
参考までに、全国の数値を取り上げます。
・平成23年度平均の有効求人倍率は0.68倍となり、平成22年度の0.56倍を0.12ポイント上昇。
・平成23年度平均の有効求人は前年度に比べ17.5%増となり、有効求職者は3.8%減。


※上記3県の統計は「平成23年5月〜平成24年4月」なので全国集計のものとは対象期間が異なります。



【用語解説】
・求人倍率…求人数を求職者数で割ることによって求めます
→求職者(仕事を探している人)1人あたり何件の求人があるかを示すもの。
求人倍率が1.0より高い=仕事を探している人の数よりも求人のほうが多い。

2012年5月24日木曜日

被扶養者資格の再確認が行われます(協会けんぽ)【再掲】

こちらは、5月11日にアップした内容です。
実施が近づいたため再掲いたします。


平成24年5月末より、健康保険の被扶養者が条件を満たしているか否かについての再確認が行われます。
※例…収入が一定額以上のときは被扶養者の範囲から外れることとなります。

例)
認定対象者の年間収入が
130万円未満(認定対象者が60歳以上またはおおむね障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)であって、かつ、被保険者の年間収入の2分の1未満である場合は被扶養者となります。
その他にも被扶養者となるケースがあります。
上記リンクをご覧ください。
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1.具体的な再確認の流れ(PDF)

2.調査対象から除かれる被扶養者
1)平成24年4月1日において18歳未満の被扶養者
2)平成24年4月1日以降に被扶養者の認定を受けた被扶養者

3.協会けんぽから会社宛の書類送付
5月末から6月末にかけて。

4.提出期限
平成24年7月31日

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2012年5月23日水曜日

障害者雇用率の引き上げ(1.8%から2.0%へ)について

障害者雇用率の話題です。
平成24年5月23日、厚労大臣は現行の「1.8%」から「2.0%」に引き上げる案を労働政策審議会の分科会に諮問(諮問内容は、この記事の下の方に参リンクを貼っています)し、同日に妥当と答申がありました。
追記:平成24年6月20日に公布され、平成25年4月1日から施行することとされました。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/shougaisha/dl/120620_1.pdf
【概要】
民間事業主:100分の2.0(現行1.8)
国、地方公共団体、特殊法人:100分の2.3(現行2.1)
都道府県の教育委員会等:100分の2.2(現行2.0)

2013(平成25)年4月1日より引き上げ。
・障害者雇用納付金等の額:現行通り。

【解説】
障害者雇用率が1.8%から2.0%に引き上げられるとは、つまりどういうこと?

障害者雇用率が1.8%というのは、従業員数が100人のときに1.8人の障害者の雇入れ義務が発生することを表します。
※従業員数「56人」以上で1人の障害者を雇用義務発生。

今回の改正により2.0%に引き上げられた場合、従業員数「50人」以上の企業に対し1人の障害者雇用義務が生じることとなります。


【納付金・調整金】
法定雇用率未達成企業からは納付金を徴収し、達成企業には調整金を支給する制度があります。パンフレットのリンクを貼りますね(平成25年版がアップされましたので、平成24年版→25年版のリンクに変更しました)。
http://www.jeed.or.jp/disability/employer/download/h25_pamph.pdf
※現行は、労働者数200人未満の会社はこの納付金・調整金の制度の対象外となりますが、平成27年4月からは100人超の事業主が対象とされます(上記パンフレット最終ページ)。

----- その他の参考資料 -----
労働政策審議会障害者雇用分科会の資料です。

2012年5月17日木曜日

職務分析実施マニュアル

リンクは、パートタイム労働者を雇用する事業主向けのマニュアルです(厚労省5月15日公開)。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/dl/parttime120509.pdf

【内容構成(目次より)】
■パート社員に能力を発揮してもらうための3ポイント
■職務分析のメリット
■職務分析→職務説明書作成の手順
・ステップ1:情報の収集
・ステップ2:職務の整理
・ステップ3:職務説明書の作成
ボリュームは大きくなく、図や箇条書きなどを用いて簡潔に書いてあるので、内容を把握しやすいのではないでしょうか。
パートタイム労働者の能力発揮を期待している事業主のみなさん、ご覧ください。

【参考】その他の関連情報
厚労省パンフレット掲載ページ

2012年5月14日月曜日

障害者雇用に関する報奨金等について

平成23年1月1日から平成24年3月31日の障害者雇用状況に応じ、次の報奨金等の支給があります。

1.障害者雇用納付金制度について
http://www.office-sato.jp/_src/sc1518/81m8FE18AQ8ED28CD997p81n95BD90AC2494N94C58FE18AQ8ED28CD997p945B95t8BE090A793x83p839383t838C83b83g.pdf
・報奨金(パンフレットP11)
・在宅障害者特例報奨金(同P13)
※支給申請ができる事業主、支給額、問い合わせ先については、上記リンクのパンフレット内に記載があります。

2.申請期限:7月31日
注)障害者雇用納付金制度の申告期限(パンフP1)、在宅就業障害者特例調整金(同P12)の申告期限(5月15日まで)とは異なりますのでお気をつけ下さい。

【その他の注意点】
まだ先の話ですが、平成27年から労働者数「100人超」の会社についても障害者雇用納付金制度が適用されます(パンフレット最終ページ参照)。
※現在は「200人超」の会社が対象

障害者雇用納付金制度…法定障害者雇用率(1.8%)を下回る場合は納付金の納付を要し、上回っているときは調整金が支給される制度です。制度概要は、パンフレットP2をご覧ください。

雇用情勢の厳しい地域の雇用創出支援事業(厚労省)

雇用情勢が厳しい地域で、地域の特性を生かし創意工夫を凝らして雇用を生み出す取り組みを支援する「実践型地域雇用創造事業」について厚労省より発表がありました。

平成24年度の第1次採択地域が決定しました。
今後、各地域で平成24年7月より事業スタート予定。

1.実践型地域雇用創造事業採択地域:30カ所
・北海道函館市、北海道平取町
・青森県深浦町
・秋田県横手市、秋田県由利本荘市
・山形県最上地域、山形県鶴岡市、山形県遊佐町、山形県飯豊町
・福島県相双地域
・新潟県粟島浦村
・岐阜県大垣市
・静岡県狩野川流域地域
・京都府和束町
・岡山県津山市、岡山県真庭市
・広島県呉市
・山口県萩市、山口県柳井市
・愛媛県松山市、愛媛県宇和島市
・高知県土佐市、高知県四万十市、高知県本山町
・福岡県上毛町
・宮崎県都城地域、宮崎県日向市
・鹿児島県鹿屋市
・沖縄県うるま市、沖縄県名護市


2.各地域の事業概要
事業の内容は地域ごとに異なります。以下のリンク参照してください。

3.実践型地域雇用創造事業
【用語説明】
「実践型地域雇用創造事業」とは(厚労省ホームページより)
 雇用機会が不足している地域における自発的な雇用創造の取組を支援するため、地方公共団体の産業振興施策や各府省の地域再生関連施策等との連携の下に地域の協議会が提案した雇用対策に係る事業構想の中から、雇用創造効果が高いと認められるものや波及的に地域の雇用機会を増大させる効果が見込まれる地域の産業及び経済の活性化等に資すると認められるものをコンテスト方式により選抜し、事業の実施を委託。
4.報道発表資料(厚労省ホームページのリンク)

2012年5月13日日曜日

バス運転者の労働時間管理等の徹底要請(厚労大臣)


ゴールデンウィーク中、関越自動車道において運転手の居眠りによるバスの大事故が生じ、これに関しては運転手の勤怠、会社の就業管理その他において不適切な状況があったとの報道がなされていました。

511日、厚生労働大臣からバス事業者団体に対し、バス運転手の労働時間等の徹底の要請が行われています。
具体的内容は、次の1から3です。
----------
  1. 労働者の労働時間等については、労働基準法に定められた規定の遵守を改めて徹底すること。
  2. 上記1に加え、バス運転者の労働時間等については、1日の運転時間は2日平均で9時間以内等の改善基準告示(以下のリンク参照)において定められた規定の遵守を改めて徹底すること。
  3. 労働者の健康確保に関し、労働安全衛生法に基づき、常時使用する労働者に対する1年に1回の定期健康診断等の実施を改めて徹底すること。
----------

なお、上記2の「改善基準告示」にはトラックバスタクシー運転者を対象とする次のものが従来から定められていました。参考までに基準のリンクを貼りますね。
長距離運転手の場合、8時間を超える拘束が生じることもあり得ます。
そのうち、イとロを合算したものが労働時間として計算されます。
イ 実際に業務に従事していた時間
ロ 手待ち時間
ハ 休憩時間
※手待ち時間…客待ち等、実際に作業をしているわけではないが待機している時間。

告示では、4週間を平均した1週あたりの限度時間や、1日あたりの労働時間の上限など設定されています。あのような事故が再度生じることのないよう、この機会に労働時間の実態・管理方法など再点検してみてはいかがでしょう。

2012年5月11日金曜日

内定・新規学卒予定者の就職支援に関する報道発表資料(厚労省より一部訂正の公表あり)

こちらの記事は平成24年3月17日にアップしたものです。このうち、平成23年度「高校・中学新卒者の求人・求職・内定状況」とりまとめについては、5月8日に内容の一部訂正についての厚労省発表がありました。訂正記事は以下のリンクを参照願います。
「平成23年度「高校・中学新卒者の求人・求職・内定状況」取りまとめ」の内容の一部訂正について 


----- 以下は、平成24年3月17日掲載記事です -----

平成24(2012)年3月16日に厚労省より発表された採用内定および新規学卒予定者の就職支援に関する資料です。 
 【主な動向】
高校生の就職内定率は86.4%
大学卒業予定者の就職内定率(80.5%)は前年度より上昇


 【関連情報】
経済産業省発表の「卒業前最後の集中支援2012」の取組状況です。
文部科学省、厚生労働省及び経済産業省は、1人でも多くの方の就職が決定するよう、未内定者を対象に「卒業前最後の集中支援2012」を実施しています。卒業までに1日でも早く就職できるよう、全力で支援を行うとともに、卒業後も継続して、就職が決まるまで支援を行うこととしています。

2012年5月10日木曜日

契約社員に関する実態調査(東京都産業労働局)

東京都産業労働局より、平成23年度中小企業労働条件等実態調査結果が公開されています。

概要は以下の通り。
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・約5割の事業所で契約社員を導入
・契約社員用の就業規則がある事業所は6割以上
・契約社員の約6割は待遇などに正社員との格差を感じている
・他社で契約社員として働いたことがある者の約3割が雇止めの経験がある
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[管理人コメント]
 契約社員については、契約更新を行わない(いわゆる雇止め)ことに伴い労使間の争いに発展することもあります。
 使用者側は「契約の締結時」に、更新予定の有無、更新に条件を設けるのであれば、その条件など明確にし伝えておくことが重要です。

●以下のリンクは「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準(PDF)」のリーフレットです。
http://goo.gl/cNMKn

p2に「契約締結時の明示事項等」があります。更新の基準を設けるときの具体的な記載例はp7下のモデル労働条件通知書をご覧ください。

p4〜p5にかけて、「判例の傾向」が記載されていますので、職場でのトラブル回避のためにも期間の定めがある労働者を雇い入れる事業所の方は目を通しておくことをお薦めします。